損をしないために知っておくべき、お金の価値の考え方

投資の話をしていると、「怖いから貯金のままでいいや」といった意見も多々あります。
貯金は比較的安全というのは事実ではありますが、その反面、価値の視点では損をしているという側面もあります。

なぜ現金の持ちすぎがもったいないのか、考え方をまとめました。
日常生活や資産運用など、お金に関わる判断基準を考えるためのマインドとして役に立てば幸いです。

目次

現金の価値は目減りする

ベースの考え方として、現金の価値を理解しておくことが重要です。

多くの人は、現金の金額を絶対的な価値として認識しがちです。
つまり、今手元にある 1万円は 10年後も 1万円の価値があると考えがちです。

実際はそうはなりません。
一般論として、時間が経つにつれ、手元にある現金の価値は減っていきます。

これは物価を基準としたときの考え方になります。

価値の基準は物価である

物価とは物の値段です。
家賃であったり、電気ガス水道の光熱費、スマートフォンなどの通信費、日々の食費、日用品の出費など、多種多様なモノの値段を表します。

経済活動が健全な場合、物価はおおよそ年1~2%の水準で上昇していきます。
物価が上昇することをインフレと言います。

年2%物価が上昇したとすると、今年1年を年間 300万円で生活したとすると、来年に同じ水準を保つためには年間 306万円程度必要になります。
さらにその翌年には、 312万程度必要になることが予測されます。

価値の基準は、何ができるか、何が購入できるかという点、つまり物価に置くのが適切です。
物価を基準として考えると、現金の価値が年々減っていってしまうということが理解できるかと思います。

なお、ここ30年ほどは、日本はほとんどインフレが起きていない状態となっていました。
しかし、この間も世界的には徐々にインフレしていますし、日本でも近年は経済が健全化しつつある状態です。
これからの日本では、物価を基準に考えられないと、生活が少しずつ貧しくなってしまう危険性があります。

貯金の利息 < インフレ率

現金は、貯金すると銀行から利息がもらえます。
ですが今の日本では、せいぜい年 0.001% の利率しかもらえません。

金額としては年々微増はしていきますが、物価対比では、ほぼ意味のない増加しかしていません。
価値という観点では、貯金はむしろ、冷蔵庫から出した生モノのような状態になります。

1990年より以前は、預金の利率は6%程度あったようで、現金を預ければお金がどんどん増えていくような時代でした。
おそらくここで、「貯金はいいもの」というマインドが日本に定着してしまったのでしょう。
今となっては、現実とマッチしないマインドが定着してしまったことにより、日本人のマネーリテラシーの向上が妨げられてしまっているように思います。

「投資は怖いから現金のままにしておく」という人も少なくないですが、現金や預金の価値が年々減っていくということは、考え方として理解するべきです。

安全資産とリスク資産

現金や預金は、その元本が保証されることから安全資産と呼ばれます。
ただし、安全と言っても実質的な価値が低減していくことは注意です。

これと対比して、元本が保証されない資産をリスク資産と呼びます。
株や投資信託、為替取引、暗号資産などがこれに該当します。
ゴールドがどちらかというのは、文脈によって微妙なところです。

これまで説明したように、現金は安全ではあるのですが、年々価値が目減りしていきます。
資産を全て預金で保有するというのは、「資産のすべてに保険をかけて毎年保険金を払っている」のと同じような状態です。

将来が不安だからと言って、片っ端から保険に入るような人はいないでしょう。
細かいリスクまで保険で対処するのは、お金がもったいないです。

これと同じで、資産についても、必要な分だけ保険をかけておいて、あとはリスクにさらす、というのが良い考え方です。
リスク資産にも様々ありますが、低リスクでそこそこの期待値を実現できるような資産もあります。
例えば、全世界株式のインデックスファンドであれば、年平均で5~7%程度のリターンを見込むことができます。(当然リスクはありますが)

適切な資産を選ぶことができれば、物価の上昇に負けないような資産形成を低いリスクで達成することができます。

参考として、各資産のメリット/デメリットをまとめておきます。

メリットデメリット
現金・預金モノと交換がしやすい
価値の推移が安定している
価値が目減りしていく
リスク資産リターンの期待値が高い
(ただし、適切な資産に限る)
モノとは直接交換できない
価値の推移が安定しない

保険をかけるべき範囲を意識して、現金とリスク資産を適切に配分して保有するのが、良い資産形成になります。

まとめとしては、「現金の持ちすぎはもったいない!」ということを言いたい記事でした。

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